慣れと上達は違います

慣れることと、上達は別物です

まず、以下の動画をご覧ください。



慣れと上達を混同しないことですね。英会話学校、オンライン英会話、英会話喫茶、そして語学留学もふくめて、これらを活用することを否定するつもりは全くありません。自分に合ったものなら、積極的に活用しましょう。ただ、これらを活用する方の発想がつぎのようでは困ります。どこかの英会話学校のCMではありませんがたくさん聞けて、たくさん話せる、だから上達する。そのようなことは起こりません多くの方が勘違いをしています。たくさん聞いて、たくさん話すのは確かにとてもとても大切です。でもそれだけだと、あなたが得られるのは、上達ではなく、「慣れです。例えば、たくさん話していれば、多少は滑らかに英単語が口から出てくるようになります。頭で考える時間も短くなるでしょう。でもそれは単に慣れただけです。私はそういった方をたくさん知っています。言葉は少しは滑らかに出てくるようになってはいるけれど、相変わらず、同じような間違い、同じような単語の使い方、同じような文構造で表現の幅も広がらない、同じような日本人英語、でも英単語がある程度はスラスラと出てくるので、上達したような気になります。慣れはもちろん大切です。英語を話すことに慣れていただくことはとてもいいことです。でもそれだけでは本当の上達とは言えません。

これまで使いこなせなかった英単語が使いこなせるようになる。これまで使えなかった文構造が使えるようになる同じような間違いをしなくなる日本人英語からだんだんネイティブらしい表現にかわっていく。このようなことが起こらないと本当の上達とはいえませんね。

ですから、いつも自分に課題を与えていることです。この単語を使いこなしてみよう。この文構造が使えるチャンスを見逃さないで、使ってみよう。この間違いは絶対しないように気を付けよう。日本語の英訳をしないように心がけよう。いつも自分にこのような課題を与えて、英会話の練習に臨む人とそうでない人とでは、1年2年たつと、もう格段の圧倒的差が生まれます。
第一の心得として忘れないようにしましょう。そして、そのことを頭に入れた上で、様々な英会話学習法が本当に自分に合っているか見ていくこととしましょう。

様々な英会話上達法、その効果と注意点

インターネット、スマホ、アプリ、テクノロジーの進化とともに、様々な英会話勉強法があります。迷われるのも当然です。ここでは代表的な12通りの英会話勉強法を取り上げ、それぞれの効果と問題点について説明します。あなたにあった方法は何か?

まず、何をするにしてもラクして身につける。その発想は絶対に捨てましょう。楽する方法を求める方は、おそらくいつまでも楽な英語の学習を続けます。そして、ほとんど上達もしません。本当に少しでも短期間で上達したいのであれば、それなりに集中した、ある意味しんどい思いをしなければなりません。私もそうでしたし、私が知っている日本人で英語がペラペラと言えるレベルになった人は全員がそういった時期を経験しています。様々な方が、様々なことを言いますが、どの方法が自分にあっているのか、その効果と問題点を以下にまとめました。

1.洋画を字幕なしで見る。

中上級者にはお勧めしますが、初級者にはお勧めしません。ディズニーアニメなどはありかもしれませんが。映画で話される英語はそれこそ手加減なしのネイティブ英語です。また、必ずしもスタンダードな正しい英語とは限りません。役に立たないということではなく、効率の問題です。あなたの英語がまだ初級レベルなら、圧倒的時間を「えっ?何?・・・???」で過ごすことになります。2時間ほどの映画を1本みて、どれほどのトレーニングになるでしょう。聞き取れない部分が多すぎると、もうあなたの耳は諦めて、たいして集中もできません。それよりももう少し簡単なPodcast などを選びましょう。ディズニー映画などなら、比較的聞き取りやすいかもしれません。

中上級者はどんどんチャレンジして欲しいですが、映画を選びましょう。アクション映画はほとんどアクションなので、言葉の勉強には向きません。もっと会話の多い、ドラマ、コメディー、ラブストーリーなどがいいですね。

2.英語のキャブションを使う。

もう20年以上前の話ですが、アメリカに住んでいる頃、英語のキャプションを表示する機械がでたとき、私はそれに飛びつきました。映画の字幕を英語で出してくれることに興奮したものです。ところが、すぐにこれはまずいな、と思いました。私は音声を聞かず、英語の字幕を読んでいたからです。英語で字幕が出ると、聞き取りの練習にいいと思われがちですが、おそらく多くの場合はその逆でしょう。もともとこのキャプションは耳の不自由な方のために開発された技術です。もしあなたが、キャプションを表示しても、そのキャプションを読まず、聞き取れなかった時だけ、そのキャプションで確認する、ということができる人ならいいですが、かなり面倒です。最初から表示しない方がいいとは思います。


3.シャドーイング

シャドーイングはよく、最高の英会話練習のように言われますが、私は上級者以外には勧めません。理由は次の通りです。
中途半端な英語力では単なる口パクになるからです。言葉の練習は必ず、意味を伴って言葉に意味を込めて話さないと自分のものにはなりません。ネイティブ早い英語に影のようについてリピートするシャドーイングでは、音を追いかけることで精一杯で、言葉のリピートではなく、単なる音のリピートになってしまうからです。
初級、中級者には、一旦英文を聞いてからリピートする、リピーティングの方が効果的です。ただし正しいリピーティングの仕方があります。それに関しては記事の5 で詳しく触れているので、参考にして下さい。
上級者がネイティブの英語の一言一句を聞き漏らさず、また、ネイティブの滑らかさで英語を話す練習としてはシャドーイングもお勧めします。

4.英語の歌で学ぶ。

歌で英語は身につきません。ただし、英語の歌を英語学習に取り入れることを否定するものではありません。発音の矯正、英語独特の音のつながりなど、歌から学べることも多いでしょう。ただし、歌詞は標準の英語とはかなり違う場合もあり、音楽のメロディーは、もちろん会話英語のリズムやイントネーションとは違います。英語の歌はあなたの英会話学習のデザートのような感じで、ちょっと楽しいエッセンスを加えるぐらいの感覚で活用するなら、とてもいいと思います。

5.音読をする。

音読はやりようによっては確かに効果はあるでしょう。しかし、このあと述べる、音声でやる英語のリピーティングの方がずっと効果はあると思います。
音読をする際、それをやるあなたの意識がかなり大切になってきます。ただ棒読みするのではなく、気持ちと意味を込めて声に出すことです。正しい言葉の連続が正しく感じるように、沢山の文を音読しなければなりません。でも、どうしても文字を見るので、文字に頼ってしまいます。あなたが、日本語を話す時、日本語の文字は見えていないはずです。それが話すということなら、文字にはなるべく頼らない方法をお勧めします。音だけで行う、リピーティングの方が、その意味ではいいでしょう。

6.語学留学

語学留学は有効な手立てのひとつでしょう。しかし、私は何年も英語圏の国で生活して、あまり英語が上達しない人を数多く見てきました。留学神話のせいです。英語を話す外国で暮らせば、英語が自然と話せるようになる、という神話です。そのようなことは起こりません。外国に暮らしても、日本に暮らしていても、やるべきことは同じです。語彙力を増やし、英語を読み、文法も身につけ、同じことをしなければなりません。ただ、海外で暮らしていれば、一歩外に出れば、その気になれば練習の機会がものすごく沢山与えられます。しかも実践練習です。そのことをきちんと分かっていらっしゃる方なら、語学留学お勧めします。

7.英会話学校

英会話学校に行くべきでしょうか?

① 私の答えは99%No, 1% Yesです。

繰り返しになるかと思いますが、ご容赦ください。ほとんどの英会話学校は時間とお金の無駄です。最近某英会話学校が、それっぽい横文字の名前をつけたコースを始めましたが、中身は同じことです。(私自身英会話スクールを経営しております。とは言ってももはや普通の英会話スクールとは大きく違います。強いて言えば、コミュニケーションスクールです。)学研を母体とする大手英会話学校の校長を務め、現在もスクールを経営している私が申し上げます。
英会話学校で英語が話せるようになるはずがありません
考えてみてください。週に一度、多くの場合50分ほど外国人と英語で話す、でもその主導権はほとんどそのインストラクターにあり、圧倒的時間をただネイティブが一方的に話すのを聞いて、少し話す。リピートアフターミーで言われるままに言葉をロボットのように繰り返す。それで外国語が身につけば、誰も苦労はしません。

② 行くべき英会話学校とは?

日々、英語に触れる努力をし、一人でできる学習は一人でこなし、その成果を英会話スクールで試してみる。そこでフィードバックも得て、さらに次のレッスンまでに見つけた課題をこなし、上達を確認する。このように英会話スクールを自分の英語学習のツールの一つと捉える人は、話が違ってきます。そして、そんな方のニーズを満たす英会話学校は、自らの役割を分かっている学校でなければなりません。日々の学習をサポートし、課題を出し、一回一回のレッスンでフィードバックや改善点、課題を自覚させ、次のレッスンまでにやるべきことを示してあげる。そんな英会話学校では、インストラクターは決して主役ではなく、生徒に主導権を与え、クラスの圧倒的時間を生徒の自発的発話に割くはず。残念ながら、日本の英会話学校の圧倒的大多数は英会話のレッスンを与えるだけで、生徒もいつまでも受け身です。私が言う生徒の英語学習のツールの一つであろうとする英会話学校は1%もないでしょう。私の経営するSELF English Schoolはその1%に入ると自負しておりますが、このような英会話学校を見つけることは簡単ではありません。まず、ビジネスの側面が圧倒的に大きい大手英会話学校では無理でしょう。志のある方が経営される小さなところだと思います。もし通える範囲に見つからないようなら、無理して英会話学校に行く意味はほとんどありません。

8.スカイプ英会話(オンライン英会話)

基本的に英会話学校と同じです。ただ安価な分、何度もレッスンが受けられるので、少しでも沢山英語を話したい、という方には向いているでしょう。ただし、それだけです。インストラクターは多くの場合、大学生のアルバイトです。決められた通りにレッスンをするので面白味もありません。スカイプ英会話だけで英語力がつくとはとても思えません。これもあなた次第です。少しでもSkype英会話をあなたの英会話上達に役立てたいのなら、あなた自身が積極的に主導権を握り、活用することです。プロとはほど遠いインストラクターに頼るのではなく、一回一回自分に課題を課すことです。今日はこういう表現を使いこなそう、とか、今日はこのような話題について自分はどの程度言えるか試してみようとか、これだけの質問をしてやろうとか、あなた自身があなたの目的にかなったレッスンになるように誘導することです。そうすれば、安価なSkype レッスンは意味のあるものとなるでしょう。ただレッスンを受けるだけだと、その場限りの自己満足が残るだけです。

9.英会話喫茶

英会話学校、オンライン英会話と同様なことが言えますが、その場にいる人がどんな人たちかによって充実した時間を過ごせたり、そうでなかったりするでしょう。様々な社会的バックグラウンドを持った方がいらっしゃいますから、運がよければ、その方達と波長もあい、楽しい会話ができるかもしれません。初級者のうちは周りが自分より話せる人たちであることが多いので、ほとんど話す機会は生まれなかったりしますが、いい刺激を受けることもあります。ただ、本当にその時その時、どんな方がいるかによるので、かなり時の運に左右されます。

10.おすすめの英会話教材を使う

英会話教材はピンキリです。残念ながら多くの英会話教材は無責任な、売れればいい、売りやすいもの、思考で作られています。しかし、中にはよく練られて作られたいいものもありますし、活用次第で大変役に立ちます。単語力をつけたい、リスニング力を強化したい。話す力をつけたい。発音を直したい。あなたのニーズとレベルにあったものを選ぶべきですが、次の点にだけはクリアしましょう。

  • 日本語訳で理解させるものは基本的に避けましょう。英語は英語でしか理解できません。英語が話せる人は日本語訳には決して頼りません。あなたもそこを目指すのなら、日本語訳のあるものは絶対に避けるべきです。
  • 集中しないと出来ないものを選ぶことです。何度も申し上げますが、人が何かを習得できるのは集中している時だけです。〇〇するだけ、的なことでは決して身につきません。
  • ある程度の時間をかけることを正直に訴えるもの。外国語はジワジワとしか身につきません。2〜3ヶ月でどうこうなるものではありません。

11.無料で英会話を学ぶ

もちろん無料で学べたら、それに越したことはありません。でも、本当にそれが効率的でしょうか。あなたが、英語文法も単語力もかなりなレベルで習得していて、英語もある程度スラスラと話せて、様々なメディアで放送される英語も十分理解出来るほど聞き取れる、上級レベルなら、無料でいくらでも学べます。様々なメディアを通して英語に触れ続け、その中で自然に吸収できるでしょう。また、お友達や同僚に英語圏出身の方がいれば、その方達と積極的に話すことです。でも、まだそこまでに至っていない方には無料で学ぶことはあまりしお勧めしません。不可能ではありませんが、どうしても行き当たりばったりの学習になりがちで、きちんと体系立てた学習ができません。また、無料で提供されているアプリなどもありますが、そのほとんどが中途半端です。英語に限らず、何事を学ぶのも自分に対する投資です。ある程度のお金をかける覚悟があった方が、その分、真剣になりますし、意識の持ちようが変わってくるでしょう。どうしてもお金は一切かけない、という姿勢には私は疑問を持ちます。

12.聞き流す。

申し訳ありません。これはもう全く効果がありません。人は集中している時でないと何かを身につけることはできません。ただ英語を聞き流して、英語が身につくのなら、誰も苦労はしません。ダイエットでもなんでも、楽な奇跡のような方法を提示されると、頭ではそんなことあり得ない、とわかっていても、ラクしたい気持ち、大変さから逃げ出したい気持ちが、本当であって欲しい、と無理やりあなたを信じ込ませます。いつも訴え続けていますが、ラクして身につくものはないんですね。〇〇するだけ、この手のモノは決して信用しないことです。

一つを除いて、全て役には立つでしょう。問題は役に立つかどうかではなく、効率的であるか、本当の近道であるかどうかです。そして、どのような“道具、方法”を用いるにしても、英語が話せるようになるためにどうしてもやらなければならないことがあります。当たり前のことですが、

  1. 単語力をつける
  2. 英語のルールを知り、身につける
  3. 聞き取る力をつける
  4. 発音を鍛える

しかし、学校で習う英語で、英語学習の指針を随分曲げられてしまった私たちの多くが、随分と間違った方法で学習してしまっています。だからダラダラと時間ばかりかけ、効果が薄いんですね。まず、あなたの行き先をはっきりと見ることです。